反する

語弊しか生まれなさそうだけど、育児は"両親への仕返し"みたいなところがある。

 

ギリギリ過保護にならないくらい優しいけど、感情の波が激しい母

面白いしいろんなところに連れてってくれたけど、気に食わないと怒鳴りつけて、デリカシーも壊滅的にない父

 

例えば中学一年生でオフ会とか行ってたけどそれでガミガミ怒られた記憶もないし、進路で口出された記憶もないし、いわゆる典型的な毒親とはだいぶかけ離れているとは思う。

でも長年家を出たかったし、それでも親を尊敬するという気持ちは今でもわからない。

自分たちのエゴで子供を産んで、育児はあっぷあっぷになって子供3人とも精神的にどこか闇を抱えている。五体満足ではあるが健やかに育ったかといわれると首をかしげたくなる。自分は大学中退フリーターを経て結婚だし、23歳の弟は持病はあるものの家事すらやらないニートだし、比較的まともな妹は春から専門学校生だけど本音を言えない人になっている。正直、反面教師でしかないと思う。

 

20歳の時に出会った年上の人と、23歳で結婚して家を出た。

夫は感情的になることもなければ、気に入らないことがあれば急に大声出して怒鳴りつけたりしないし、ヒステリックにもならないし、殴ったり蹴ったりもしないし、キレて中途半端に投げ出して突き放すこともしない。

いつだって論理的に落ち着いて思考を展開するし、私や子供がやることを頭ごなしに否定しないし(危ないこと、法的にアウトなこと以外)、体の悪いところがあればすぐ病院に行けと万札を持たせてくるし(自分もお金は持ってるのに)、家の掃除もちゃんとやるし、セルフネグレクトというワードからは無縁。

当たり前だけど、それがどんなに心地よくて、心強かったことか。

 

入籍翌日、「どんなに悪いことしたとしても味方でいる、それが家族だと思うから」と言われたときに、人生で一番泣いた。衝撃を受けた。

私はそれまで家族の意味を知らなかった。

 

第一子だから、父を怒らせないようにしたし、親が行きたいとこには全部ついていったし、興味ないって言わないようにしたし、逆に私が好きなもの否定されても我慢したし、あまりにお金がかかるので通いたかった音楽大学も中退した。弟と妹に申し訳なかったから。

まあ大学に関しては、自分でお金を稼いでまで通うというタフさもなかったのでそれまでなんだけど。毎日9時から21時まで大学にいなきゃいけない生活は普通にしんどかった。そこまで音楽やりたくなかったんだと思う。

 

 

正直自分は両親に似ている。疲れていると感情的になってしまうし息子のやりたいことを"危ない"で一蹴してしまう。良い母か悪い母で分けたら圧倒的に後者だ。
ただ絶対息子を自分と同じ道を行かせたくないから、一生懸命本を読んだり育児に関して勉強している。まだ息子とは意思疎通できないので難しいが、"愛"と"甘やかし"をはき違えないようにしつつ、なるべく息子の意思に沿えるような母親ではありたいと思っている。

 

 

ところで、お年玉や進学祝いとしていただいたものを、勝手に生活必需品や教育費に充てられてしまうのが嫌だった。
それを踏まえて、出産時に自治体からもらったこども商品券3万円分ほどを使わずにずっと保存している。子供に関する日用品ではなく、親から何かを買い与えるのでもなく、子供が欲しいと思った物に使ってほしいからだ。もちろん使用期限はあるので、遅くとも4歳の誕生日までには使い切らないといけないのだが。

それを母にとくとくと喋った(自分の実体験のくだりはもちろん割愛)あとで、子供用品専門店で子供の歯ブラシやおむつなどを購入したのだが、レジにて母が「ねえ、こども商品券使わなくていいの?」と聞いてきた。

 

本当に、なんも聞いてないし何もわかってない。

絶対にこんな親にはなりたくないと改めて思った。